国際収支と為替の関係
国際収支とは、外国とのさまざまな経済取引で生じた金銭の授受をまとめたもので、その中で主に貿易収支と資本収支が為替への影響があるようです。
貿易収支とは外国との貿易によって生じた金銭の授受で、貿易には輸入と輸出がセットになっています。総輸入額より総輸出額が多ければ貿易黒字です。
輸入は自国通貨が流出することで、輸出は海外通貨が流入すること。物品が動けは通貨も動くは必然的です。日本の国が輸出をする時、相手国が受け取ってくれる通貨が米ドルなら外国為替市場で米ドルを手に入れるために円を売るのでドル買い円売りが発生します。反対に輸出なら相手国から代金としてもらう通貨が米ドルなら米ドルを日本に持ち帰ってきます。そのまま日本で米ドルを持っていても次のビジネスなどで使用も可能ですが、いつかは自国通貨に替えるでしょう。ボーナス時期や決算期などは各社一斉に自国通貨に交換するでしょう。
貿易黒字国の通貨はこういった意味でも人気のある通貨になりますので、貿易収支発表も重要要素です。
もう一方の資本収支には、海外企業に資本の経営を投資する直接投資や株や債権に投資する証券投資などが含まれます。
海外の資産が日本の企業や証券に投資されるには、外貨を外国為替市場で売って円を必要とします。海外の資本が円に形をかえて流入してくるわけです。日本の企業が外国の企業や債権に投資する場合はその逆になります。日本円が国内から流出していきます。
流入額が流出額を上回れば外国為替市場での日本円の需要過多になり円高傾向に進み、流出額が上回れば外国為替市場に日本円が流れて円安傾向に傾きます。
貿易収支・経常収支の指標発表も注意して見ておきましょう。