FX取引のリスク


デメリット・リスク

FX取引には多くの魅力(メリット)がありますが、裏を返せばデメリット・リスクにもなります。 参加者の運用方法ひとつでどちらにも変わるのが相場取引の特徴でしょう。

FX取引に関わらず資産運用における避けたいリスクとは大きな損失を出すこと。

どんな取引でも損失はつきものです。通常のビジネスでも損失はあります。一般の主婦の人でもスーパーで普段買ったことの無い知らない食料品をバーゲンで安いからといって買って美味しくなかった経験もあるでしょう。下調べをしていれば買わなかったかもしれないわけで、数百円程度の損失ですが損失にはかわりありません。

小さな損失までも避けたいなら、FX取引にしても株取引にしても参加しない方法しか無いわけで、参加する以上は損失の覚悟は必要です。

そのなかで大きな損失をどれだけ回避できるかが重要になってきます。

また、「FX取引はリスクが大きい!」「FX取引は危険だ!」とか言われますが、実際の為替取引はそんな大きな損失が出る取引でもないのです。

しかし、なぜそのように言われるかといえば、全ての原因はレバレッジにあることが大きいでしょう。

例えば上記の条件で取引をしてた時、相場が1円下がったとしてレバレッジが10倍なら千円の損失です。

千円の損失など競馬やパチンコ・パチスロに比べれば小さいものです。 10円下がったとしても1万円の損失ですが、米ドル/円の相場での10円もの変動は大きなニュースです。競馬やパチンコ・パチスロで1時間で1万円負けるのはよくある事でも、米ドル/円の相場での数時間で10円動くなんてことを考えて取引してる人はいないでしょう。それだけ米ドル/円の相場は安定してるものなのです。

FX取引にある【為替変動のリスク】といっても計算すればそんな大きな金額ではないでしょう。

しかしレバレッジが絡んでくると同じ10万円の投資(必要証拠金)でも100倍にすれば1円下がると1万円、200倍なら2万円、投資額(必要証拠金)を10万円に増やして同じことをすれば10万円、20万円の損失が発生します。

思惑通り動けばそれが利益になる反面、反対に動けば大きな損失になるのがレバレッジの特徴です。

為替変動に対するリスク管理として、地政学的な経済圏などで分散することで経済的にも軍事的にも有事の変動に備える方法などもありますが、いくらそのような管理をして最小限に損失を抑えれたとしてもレバレッジを大きく効かしていれば損失は大きくなるものです。

このレバレッジの管理一つで安全な取引になったり危険な取引になったりしますので、ストップロス設定レバレッジの使い方はFX取引のおいて大きな損失を防ぐためにコントロールするべき最大のポイントです。


為替変動リスクとレバレッジ

FX取引における損失の原因は「為替変動リスク」…思惑と反対に為替レートが動くことです。

通貨ペア USD/JPY(米ドル/円)
取引種別 買建
約定レート 100.00
決済レート  99.00
レバレッジ 10倍 100倍 200倍 100倍 200倍
取引額 $1,000 $10,000 $20,000 $100,000 $200,000
必要証拠金(円) 10,000 10,000 10,000 100,000 100,000
損失額(円) 1,000 10,000 20,000 100,000 200,000

レバレッジ効果を利用した取引が本当に危険なのか…レバレッジを効かす事で10pips動くことでいくらの損益が生まれるのかを理解していれば危険な取引ではないでしょう。FX取引が株取引や先物取引のレバレッジより大きく設定されているのは、それだけのレバレッジを使わないとそれなりの利益率を稼げないということなので、利益率を生まないということはそれだけ相場変動が他のものに比べ少ないことを意味しているのだと思います。


外国為替相場取引を行う以上、為替変動リスクは常に付き纏うものですが、それ以外にもリスク存在します。


流動性リスク

流動性とは一般にモノが流れ動く容易さを表すもので、流動性が高ければ【売り手】と【買い手】の数も多く、売りたい時や買いたい時にいつでも取引が成立します。流動性が低くなると売りたいと思っても買い手が存在せずスムーズな取引が困難になります。

この流動性は取引通貨ごとにも異なり、世界の市場で多く取引されている通貨(米ドルやユーロ、円などのメージャー通貨と呼ばれている通貨)とそうでない通貨でもその差はありますが、通常時はスプレッドといった手数料的な金額を多く支払うことによって取引を成立できるようになっています。

そのように通常時は特に流動性を意識することなく取引可能ですが、状況(戦争や紛争、政変や規制変更、指標発表時など為替相場の激変など)によっては、流動性の高い米ドルでさえ取引が困難になり思ってる値での取引が出来なります。

出来なくなるといっても、全く出来ないわけではなく「思ってる値」で出来ないだけで多少指値がずれてもいいのなら可能です。

しかし、新規注文なら注文が通らなくても諦めて変動が納まるまで待てばいいでしょうが、決済注文の場合は「思ってる値」で決済したいものです。大きな利鞘が取れてるならいいが、そうでない場合はやはりもったいないです。

この相場が荒れている時に注文が蹴られる確立はFX会社によっても異なってきますので、しっかりしたFX会社を選ぶほうがいいでしょう。


システム障害リスク

私たち一般のFX取引参加者はインターネット回線を利用して各自のパソコンからFX会社のサーバーへ接続し新規注文や決済注文を行います。仮にFX会社のサーバーにトラブルが発生した時、市場は動いて相場は変動しているにも関わらず注文は通りません。その結果、損失を膨らますこともあります。

また、FX会社のサーバーに問題がなくても契約しているプロバイダーでの障害や個人のパソコンの不具合などが発生する可能性もあります。

FX会社のサーバーが止まれば打つ手はないのですが、契約者側の問題なら電話注文を受けてくれたり携帯端末での受発注システムを提供してくれているFX会社もあるので、そのようなところを選んで対応しましょう。


信用リスク

取引とは相手がいて始めて成立するもので、FX取引に参加して取引する相手はFX会社です。FX会社は契約者に対して保証金という担保を取っているので仮に相場が損失側に動いても保証金からその分を差し引けばいいですし、取引中に契約者がいなくなっても保証金の範囲内で事はおさまります。

しかし、契約者側はFX会社から担保など取っていません。
FX会社が破綻した時の契約者が預けてる保証金はどうなるのでしょう?

このような事態を避けるために、ほとんどのFX会社は顧客の資金と自社の資金とを分けて管理して信託分別管理を行っています。良く耳にする信託保全というものです。

しかし全てのFX会社が完全な管理を行っているかといえばそうではないでしょう。

FX取引を始めようと思うとき、各FX会社が示している信託保全の内容など契約時の約款やホームページに書かれている内容などによく目を通し、理解しておく必要があります。