相場が動く時間帯

為替相場は24時間刻々と動いています。世界のどこかの地域で経済活動が行われている以上それは当然のことです。

常に動いている為替相場、そのなかでも活発に動き出す時間帯というのが存在します。外国為替に関わる人々、銀行の人も証券会社の人も貿易会社の人も、あるいは個人投資家もみんなが注目している時間帯、多くに人が注目しているからこそ、動き出したら活気付くきっかけにもなります。


東京仲値(TOKYO 10:00)

仲値(なかね)とは、朝9:55分頃のインターバンク市場のレート水準をもとに決める銀行の対顧客取引レートのこと。この仲値を境にしてTTB・TTSを決定します。

東京市場の特徴として顧客取引(海外送金や輸出手形)の比率が多く、この仲値が決まれば基本的にその日一日をそのレートで取引を行います。その日の米ドル需給のバランスにもよりますが、この仲値前後はその日一日分の米ドルを手当てする必要があり取引が活発になります。

例えば石油会社が輸入する石油代金のドルを買い求めに来た時、仲値公示額での取引となりますので、仮にその時点でレートが対円レートが上がっていれば銀行の損失となります。そのようなリスクを回避するために仲値を定めた時間帯でのレートで先買いを行います。

特に5の倍数日はゴトウ日と呼ばれ、大企業などの大口決済が多いため大きく動きやすいです。

この仲値ですが、基本的にはその日の間は固定されるものですが、大きく為替レートが動いた時は、仲値決済は行われずに替レートに連動して取引されるようになっています。


ニューヨーク・オプションカット(N.Y 10:00 TOKYO 24:00)

オプションカットとは、通貨オプション取引の権利行使期限(オプションカット)のこと。 このオプション行使を巡り外国為替市場でこの時間帯の売買が活発になることがあります。

通貨オプションとは、特定の期日に特定の売買を行う権利で、コールオプション(買う権利)とプットオプション(売る権利)があります。

東京にも東京カットと呼ばれるオプションカットに絡んだ時間はありますが、ニューヨークでは特にこのオプション絡みの取引が多く、権利行使期限の時間に大きく相場を動かすことからニューヨーク・オプションカットと呼ばれて市場の動きに注目が集まります。


ロンドンフィキシング(LONDON 16:00 TOKYO 25:00)

ロンドン・フィキシングとは「フィキシングメンバー」と呼ばれる事業者(世界有数の金融機関など)が、貴金属現物取引において世界中から出された金の売買注文を集めて価格を決定し金のスポット価格となります。

世界的に金の取引は米ドルで行われいてるため米ドル資金の需給関係に大きく影響を与える結果、外国為替市場において大きくレート変動が起きます。