FX取引の注文種類
口座を開設して「さぁ、FXをはじめよう!」と気合十分入ったのだが相手は世界中の24時間マーケット。四六時中パソコンに張り付いてることなど出来るはずも無いでしょう。
FX取引の注文方法には参加者の利便性を考慮したいろいろな方法がありまが、基本は
- 成行注文 : Price Order
- 指値注文 : Limit Order
- 逆指値注文 : Stop Order
の3つです。
その他にも注文方法はありますが、それらは指値注文と逆指値注文を組み合わせたものなので指値注文と逆指値注文の意味を理解できれば難しくは無いでしょう。
また、FX会社によってはそれぞれ独自の発注機能をサイトにログインして見れる発注画面や契約者のパソコンにインストールして使うシステムなど各社で異なっているため、発注方法の種類や呼称も異なってきます。
また日本語呼称以外にも英語呼称(カタカナ)も覚えていたほうがFX会社のシステムによってはカタカナ表記(英語読み)が多いところもあります。
成行注文
Price Order
「今の為替レートで買いたい or 売りたい」時に使用する発注方法。
FX会社によっては「プライスオーダー」とか「ストリーミング注文」と呼ばれています。
パソコンの画面に表示されている価格を見ながら注文を入れます。 買い注文(ロング)の場合はアスクレート:Ask Rate(またはオファーレート:Offer Rate)、売り注文(ショート)の場合はビットレート Bid Rate を見ながら発注ボタンを押します。
このレート表示中も数字はリアルタイムに変動していますので、発注ボタンを押した時点のレート(価格)がサーバー側で受信された時点で実際のレートとの誤差が生じた場合は「どれだけの誤差なら発注OKか?」の設定、スリッページ設定というものがあり仮にスリッページを5に設定すると ドル/円95円50銭のアスクレートで買い注文(ロング)を入れた時、サーバー側で受信された時に95円55銭なら約定し、95円56銭なら約定せずにキャンセルになります。
メリット
- 現在の値動きを確認しながら発注可能で持ちたいポジションを持てる。
- 他の注文のような設定をする手間が省ける。
デメリット
- 価格変動の激しい時間帯では、リアルタイムレートと発注価格との差がスリッページ設定の範囲を約定できない。
指値注文
Limit Order
「今の為替レートよりも安く買いたい or 高く売りたい」時に使用する発注方法。
売り買いの希望価格を予め指定して取引する注文方法でリミットオーダーとも呼ばれてます。
商売の基本は【安く買って高く売る】
パソコンの前で待っていれば自分の思う買い時・売り時が来るのならいいですが、いつもそうとは限りません。ビデオなどの録画予約のようなもので、成り行き注文以外は指定した価格(指値)になると自動で発注してくれます。
メリット
- 希望する取引価格で注文が可能である。
- ある程度の変動時、成行注文では約定できない時でも指値注文を行うことでチャンスロスを無くせる。
デメリット
- 設定金額に届かない場合、売買(取引)は成立しない。
- もう少しのところで反転して損失側へ行くことがある。
逆指値注文
Stop Order
「今の為替レートよりも高く買いたい or 安く売りたい」時に使用する発注方法。
リミットオーダーに対してストップオーダーと呼ばれ、トレンドを見ながらトレンドの波に乗る発注方法として使われます。
1ドル=100円の壁(レジスタンスライン)があり、過去何度も100円を越えようと試みたが戻されて1ドル=98円付近をウロウロしている時、「もし、100円を超えたら一気に動くだろう」と予想したなら1ドル=100円30銭付近に円買いドル売り注文を出しておきます。同じようにこのラインを割ると一気に下がるだろうという時も同じです。
逆指値注文は、上昇トレンドや下降トレンドに移った、あるいは移るだろう判断した時にそのトレンドに乗れるように注文するのに便利です。
損失を限定するストップロス注文
もし、相場が自分の予想(注文)と反対に動いた場合に出来るだけ損失を少なく抑えたい、または損失をあらかじめ限定しておきたいという場合、この「逆指値注文」はストップロス注文として機能します。
このストップロスは、Stop Loss = 損失確定注文の意味で、S/L と表記されたりします。このストップロスの反対の言葉がテイクプロット(Take profit = 利益確定注文)で T/P と表記されたりします。
利益を確保する
「逆指値注文」はストップロス注文以外で利益確保にも使われます。
1ドル=90円の買いポジションが1ドル=103円の時、「まだ上を狙いたい。でも今の利益も守りたい。」と思った時、100円で逆指値注文を入れておくと思惑を外れて下がったとしても100円に下がった時点で約定して利益を確定してくれます。
気持ちの中で利益確保の余裕があるので安心して取引を見ていることが出来ます。
メリット
- ストップロス注文(損切り注文)として使うことができる。
デメリット
- タイミングによってはスリッページが発生しやすい。
指値注文と逆指値注文の違い
指値注文と逆指値注文の違いが分かりにくい方も多いでしょう。どちらも指定したレートに達したら“買い注文”や“売り注文”を実行することには変わりありません。
しかし注文方法としてふたつに分かれています。これは注文予約をする時点のレートと注文内容のレートの位置関係によって異なった注文方法になります。
商売の基本は【安く買って高く売る】こと、FXの空売りに関しては【高く売って安く買い戻す】ことが理想であり、そこに利益が発生します。
指値注文はこの商売の基本原則を守る注文方法であり、逆指値注文はこの基本原則を守らないことに違いがあるのです。
上の図の黒丸数字は1番の時点での
- 成行注文 買いオーダー
- 指値注文 買いオーダー
- 逆指値注文 買いオーダー
の実行ポジションです。
相場の動きを表す破線は最終的に赤丸印まで値上がって決済したとしましょう。
その時に一番多く利益を上げることが出来たのは指値注文の2番です。その次が1番の成行注文で一番利益が薄かったのが3番の逆指値注文となります。
ポジションを取る時点の1番でその時点でのレートより上で買うならその場で成行注文を行ったほうが儲かってたのだが、あえてそれを行わないレートより上での買い注文予約はすべて Stop(逆指値)扱いとなり、レートより下での買い注文予約はすべて Limit(指値)扱いとなります。
売りポジションならすべてそれの逆で、レートより下での売り注文予約はすべて Stop(指値)扱い、レートより上での売り注文予約はすべて Limit(指値)扱いとなります。