クロス円とドルストレート

FX取引を行っていく中で【クロス円】と【ドルストレート】という言葉が出てきます。知らなければ取引が出来ないわけではないですが、知っていて損はしないでしょうし、【クロス円】と【ドルストレート】の意味を知ることで選択する通貨ペアも変わってくるかもしれません。


為替市場の中心はドル

世界はアメリカ中心に動いてる...外国為替相場も同じくドルを軸に動いています。ドルが基軸通貨と言われるのも、それだけドルの世界経済に与える影響力が大きいからです。

FX取引での商品は2つの異なった通貨の売買(交換)が基本です。かならず2つの通貨が絡むのでこの2つを通貨ペアとして選択していきます。「ドル/円取引」ならドルと円の売買で「ユーロ/円取引」ならユーロと円の売買、「ユーロ/ドル取引」ならユーロとドルの売買となります。

この3種類の通貨ペアですが、私たち日本人から見ればそれぞれの取引にある特徴があります。それは全ての取引にドルが絡んでくることです。

【クロス円】と【ドルストレート】
  1. ドル/円 取引
    ドルを買いたい時、日本円を渡してドルを買う形になります。
    ドルを売ったなら、ドルを渡して日本円を受け取る形になります。
  2. ユーロ/円 取引
    ユーロを買いたい時、日本円をドルに替えて、そのドルを渡してユーロを買う形になります。
    ユーロを売ったなら、ユーロを渡してドルを受け取り、そのドルを日本円に替えて受け取る形になります。
  3. ユーロ/ドル 取引
    ユーロを買いたい時、ドルを渡してユーロを買う形になります。
    ユーロを売ったなら、ユーロを渡してドルを受け取る形になりますが、口座では円建て換算になりますのでドルを円に交換します。

1番3番のようにドルと他通貨との取引をドルストレート取引2番のように表面上はドルが絡まない日本円とドル以外の取引をクロス円取引といいます。日本円とドル以外取引では、一度ドルを介してレート計算されます。3番の場合も取引の遂行はユーロとドルの取引ですが、損益計算は円建てにて行うのが一般的ですので最終的にはドル/円レートが絡んできます。

国内のFX会社と取引する以上、日本円での入出金が基本ですので、いくらドルが関係しないユーロ/円やポンド/円で取引していでも、ドル/円レートは常に関係しているのということです。

極端に言えば、ユーロ/円のポジションを持っている状態での損益計算表示は、ユーロ/円レートが全く動いてなくてもドル/円レートが動けば損益表示は上下します。

クロス円はドルをクロス(仲介して)レート計算するので、その時のレートをクロスレートと言います。


クロスレートの計算方法

クロスレートの計算

クロスレートの計算方法は、それぞれの通貨の対ドルレートで計算します。

ユーロ/円(EUR/JPY)のレートを計算するのなら、
1ユーロは1ドルに対して(EUR/USD = 1.4950)1.4950倍です。
その時の1ドルは1円対して(USD/JPY = 91.05)91.05倍です。

そうすると1ユーロは1円に対して、1.4950 × 91.05 = 136.12倍 となります。

実際のレート表示はスプレッド計算などで少しずれてきます。

実際のインターバンク市場での対日本円取引はユーロ/円取引のみあるようですが、それ以外の対日本円取引は存在せず、FX取引においてはドル/円取引以外は表面上クロスレートを基に取引しています。インターバンク市場でのユーロ/円取引があるのは、経済成長を遂げたドイツマルクと日本円のニーズに応える形でドイツマルク/円(DEM/JPY)取引が始まったらしく、それをユーロが引き継いでるようです。