避難通貨とは?

避難通貨とは、戦争や政治・経済体制の混乱などが生じた時、安全を求めてやってくる通貨です。

避難通貨

世界が平和な時、お金はリターン(収益)を求めて動いています。しかし戦争などの危機的な状況になると一時的に難を避けるためにお金は安全なところへ移動したり、安全なものに投資されたりします。金はその代表のひとつで通貨にも同じような特徴を持つ通貨があります。

いざ戦争や紛争・テロが起きた時、「この国の通貨が一番安全だろう」と思われる通貨が避難通貨と呼ばれるものです。

避難通貨の代表としてスイスフラン(CHF)が上げられます。

スイスは永世中立国でもあり守秘義務も徹底している上に、主要通貨としての流動性もあるので昔から非難通貨として認識されています。その守秘義務を利用してマネーロンダリングに使われる通貨でもあります。

最近はマネーロンダリングの監視強化で以前ほど守秘義務を厳密に守れなくはなってきたことやユーロが誕生したことでスイスフランの地位の低下も見られますが、現在でも避難通貨としてのスイスフランは健在です。


有事のドル買い…

米ドルも「有事のドル買い」と言われ避難通貨として考えられていました。経済力も軍事力も圧倒的な力を持つ国は安全と考えられていたからです。米ドルが世界の中心になった第二次世界大戦以降、米ソ冷戦の中では特にその意味は大きかったのです。しかし湾岸戦争(1991年)においてドル売りが起こり、同時多発テロ(2001年)を契機に米ドルも安全な国の安全な通貨とは言えなくなって来ているようです。

また、そのような絶対的な安全通貨でなくても地政学的に安全と判断される場合もあります。


円も避難通過になる

中東付近で問題が起これば、地理的にも政治的にも遠くはなれた日本の円などは買われる傾向にあります。反対に北朝鮮の軍事行動が表に出てくれば近隣国でもある日本の円は売られやすい傾向になります。

お金は平事の時は利益を求めて動き回り、有事の時は安全な場所へ回避します。そのようなお金は事が納まれば、また一気に利益を求めて出て行くものです。